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Writer's picture佐藤 和弘

もし、組織全体で学べる(使える)フレームワークがたった1つだけだったら、どのフレームワークを選びますか?

「もし、組織全体で学べる(使える)フレームワークがたった1つだけだったら、どのフレームワークを選びますか?」


個人学習と組織学習は異なる世界です。個人学習であれば自分の意思で時間を確保し自由に学びを進めることができますが、組織学習となると、スタッフ一人ひとりの時間を確保し足並みを揃えて学びを進めなければなりません。


そのような状況のなかで、あれもこれも学ぼうとすると、どれもこれも身につかないということは、容易に想像できます。だからこそ、「あの学びも大事、この学びも大事」ではなく、大事なことに順番を決めて、一番大事な学びに選択と集中をし、組織学習することが大切になります。その他の学びは後回しにしてでも。


組織が動くための思考の仕組み化。それはフレームワークです。「この出来事について考える時には、AとBとCの視点で考えればよい」といったように、思考の抜け漏れを防ぐフレームワークは、性格や価値観が違うさまざまなスタッフのさまざまな思考(の土台)を揃えるという意味で、個人が使うよりも組織で使ったほうが強力かつ有意義であると言えます。


ただ問題は前述した組織学習の制約条件で、現実的には、あれもこれもフレームワークを学べないということです。なので、Dという分野では◯◯というフレームワークを使い、Eという分野では⬜︎⬜︎というフレームワーク、Fという分野では△△というフレームワークを使い、Gという分野では・・・といったように、分野ごとに(さらにその分野の細かい場面ごとに)フレームワークを使っていこうとすると、組織学習で身につけなければならないフレームワークが膨大になってしまいます。


だからこそ、冒頭の問いにあるように、たった1つしかフレームワークを学べない(使えない)としたら、どのフレームワークを選ぶのかといったように、考え方を極端に振ってみる。そして、そこで判断基準になるのが、「どのフレームワークがより『不変的』であり『汎用的』であり『根本的』か?」ということです。


僕は、それが「問題解決の六大大陸(世界地図)(その簡略版の2W1H)」だと考えていますが、いずれにしても、それぞれの組織でより「不変的」「汎用的」「根本的」なフレームワークを1つだけ選んでみると良いのではないかと思います。


ちなみに、僕が普段ノンテクニカルスキルとしてお伝えしているのは、1フレームワーク+2です。


1フレームワークはもちろん「問題解決の六大大陸(世界地図)(その簡略版の2W1H)」で、これは全スタッフ向けであり、最も優先順位が高い。なので、まずはこれに選択と集中する。一方で+2は「人材マネジメントの全体像」と「組織の2:6:2の法則」で、主に管理者向けになります。前者は言わば「表の森」の視点から、後者は「裏の森」の視点からマネジメントを考えていくもので、不可分の関係にあります。

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