「本当の問題は何か」を考えるという思考のイノベーション
- 佐藤 和弘
- Jan 23
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例えば、患者Aさんに関する申し送りの際に伝達ミスが起こったとします。当然ながら、一見すると、それ自体が問題のように見えます。
しかし、ここで考えるべきなのは、「本当の問題は何か」ということです。もしかしたら、一見すると問題に見える「患者Aさんに関する申し送りの伝達ミス」は表面的な問題であり、本当の問題は別にあるのではないか。
そして、その本当の問題に向かうための決め台詞が「それによって」という言葉です。すると、
表面的な問題「Aさんに関する申し送り際の伝達ミス」
↓それによって
本当の問題?「Aさんに対して決められた処置が行えなかった」
↓それによって
本当の問題「Aさんに◯◯の症状が出現した」
といったように、表面的な問題の先にある出来事に目を向けることができます。そして、本当の問題が見えてくると、その手前にある表面的な問題が、本当の問題に対する原因に当たるということも見えてきます。
さらに、ここでわかるのは、本当の問題に近づくほど、本来の目的に近づいていくということです。この例で実現したいことは、正しい申し送りの伝達自体ではなく、あくまでも、Aさんに◯◯という症状が出現することを防ぐということであるはず。ということは、本当の問題をとらえておくことは、本来の目的を押さえておくことを意味すると言えるのです。
このことは、人が往々にして陥りがちな「手段の目的化」を防ぐうえでも重要になると考えています。
「目の前で起こる問題を解決しようとするけれど、一向に物事が良くならない」
それは、もしかすると、本当の問題に目を向けられていないからなのかもしれません。
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