top of page
Writer's picture佐藤 和弘

「行動し続ける組織」へと導く

変化に適応する組織とは、あるべき姿と現状のギャップを埋める(埋め続ける)組織であるととらえていますが、僕自身は基本的に、ある問題設定型の問題解決での一度の取り組みにおいては、成果、つまり実際に【あるべき姿】(旅の目的地)にたどり着くことができたかどうか自体には、それほど関心を持っていません。


もちろん、一度であるべき姿にたどり着くにこしたことはありませんし、それができれば素晴らしいですが、あくまでも実際に取り組むのが感情を持った人間である以上、いくら正しいと思える問題解決プランを実行しても、必ずしもうまくいかないと考える方が自然であると言えます。むしろ、うまくいかないことのほうが多いかもしれません。


このような情理のリアリズムを前提にすると、一度の成果に一喜一憂するよりも、実際に「行動し続けているか」どうかが重要であることがわかります。


【あるべき姿】を決めたら、そこに向かって行動し続けているかどうか。たとえそれが三歩進んで二歩下がっていても、たとえ道を間違えたとしても、遠回りをしていたとしても、組織全体で歩みを止めずに進み続けているかどうか。それができていれば、いずれは【あるべき姿】にたどり着くことができるはずです。


だからこそ変革リーダーは、一度の取り組みの成果そのものにこだわり過ぎてしまい、結果的に組織全体の失敗体験につながってしまわないように、旅の途中途中において、丁寧にポジティブな意味づけをしながら小さな成功をつくり、それを組織の原動力にしながら、「行動し続ける組織」へと導いていくことが大切だと言えます。

Recent Posts

See All

日常を忘れさせない学びの場づくり

一般論として、医療における研修は、現場業務という日常の場とは切り離された非日常の場になりやすいと言えます。たしかに、業務の合間に行われる研修は、その間だけは日常(の忙しさ)を忘れさせてくれる、休息の場という側面も実際にはあるでしょうし、そのような場があること自体は有意義でし...

自分自身の「感情」が、論理的思考を身につけることを邪魔する

「(できれば) 物事を論理的に考えたい」と思う人は多いでしょうが、論理的思考を身につけることは実際には容易ではありません。 論理的思考に関する書籍を何冊か読破した、あるいは(単発の)研修やセミナーで学んだといった段階に留まらず、何年にも渡り日々の日常業務のなかで繰り返し体験...

合理は他者ではなく自分自身に向ける

世間ではとかく「正論」という言葉が否定的な意味合いで使われがちです。 「それって正論だよね」 「正論なんて聞きたくありません」 これは、あらためて考えてみると、「正しい論理なのに間違っている」といっているようなものですから、一見矛盾する意見のように見えます。ただ、突き詰めて...

Comments


bottom of page