変化に適応する組織とは、あるべき姿と現状のギャップを埋める(埋め続ける)組織であるととらえていますが、僕自身は基本的に、ある問題設定型の問題解決での一度の取り組みにおいては、成果、つまり実際に【あるべき姿】(旅の目的地)にたどり着くことができたかどうか自体には、それほど関心を持っていません。
もちろん、一度であるべき姿にたどり着くにこしたことはありませんし、それができれば素晴らしいですが、あくまでも実際に取り組むのが感情を持った人間である以上、いくら正しいと思える問題解決プランを実行しても、必ずしもうまくいかないと考える方が自然であると言えます。むしろ、うまくいかないことのほうが多いかもしれません。
このような情理のリアリズムを前提にすると、一度の成果に一喜一憂するよりも、実際に「行動し続けているか」どうかが重要であることがわかります。
【あるべき姿】を決めたら、そこに向かって行動し続けているかどうか。たとえそれが三歩進んで二歩下がっていても、たとえ道を間違えたとしても、遠回りをしていたとしても、組織全体で歩みを止めずに進み続けているかどうか。それができていれば、いずれは【あるべき姿】にたどり着くことができるはずです。
だからこそ変革リーダーは、一度の取り組みの成果そのものにこだわり過ぎてしまい、結果的に組織全体の失敗体験につながってしまわないように、旅の途中途中において、丁寧にポジティブな意味づけをしながら小さな成功をつくり、それを組織の原動力にしながら、「行動し続ける組織」へと導いていくことが大切だと言えます。
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