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Writer's picture佐藤 和弘

ノンテクニカルスキル×生成AI Day26〜問題解決プランを実行した成功事例と失敗事例の両方から教訓を引き出す〜

ChatGPTは問題解決プランの作成だけでなく、実行した結果を振り返り教訓を引き出す際にも生かせることがわかります。


成功事例と失敗事例の両方から、その後の問題解決プランの作成に生かせる教訓を引き出すことが重要ですが、ここで注目すべきは、ChatGPTの生成した文章を読むとわかるように、同じ問題解決プランでも、同様の問題が起こらなくなった場合(成功例)と、同様の問題が起こってしまった場合(失敗例)とでは、得られる教訓の「トーン」が異なることです。


端的に言うと、成功事例から得られる教訓は、ポジティブなトーンになりやすいのに対して、失敗事例から得られる教訓は、どうしてもネガティブなトーンになりやすいのではないでしょうか。


もちろん、ネガティブなトーンを受け入れざるを得ない場合もあるでしょうが、それだけでは、組織の中にネガティブな空気が広がりやすくなり、それが成功事例をつくり出す際の足かせになってしまうかもしれません。だからこそ、成功事例からポジティブなトーンの教訓を引き出していくことによって、意図的にポジティブな空気をつくることも大切なのだと言えます。


なお、同様の問題が起こってしまった場合の教訓の引き出しに関する一つ目のプロンプトは、「この問題解決プランが正しくなかった」の「この問題解決プラン」の部分が何を指すのかがChatGPTに伝わらず、先に示した特定の問題解決プランの内容を反映していないことがわかります。したがって、入力し直したプロンプトには、再度問題解決プランの内容を示しています。


今回(Day26)の会話 ********************** 【佐藤】「目的」「現状」「あるべき姿」「問題」「原因」「対策」の6つの論点で問題解決プランを整理する「問題解決の六大大陸(世界地図)」の考え方を前提に、実際に医療現場のスタッフが「目的」「現状」に関する情報を入力し、それらの情報を基にあなたが「あるべき姿」「問題」「原因」「対策」に関する情報を生成する。このようにしてスタッフとあなたが協働して作成した問題解決プランを実行した後で重要なのは、その事例(経験)を振り返って「教訓」を引き出すことだと考えています。ここで言う教訓とは、今後の問題解決プラン、つまり「目的」「現状」「あるべき姿」「問題」「原因」「対策」について考えていくうえで役立つ知恵や工夫、コツなどを意味しています。

これらのことを前提にした上で、以前の私とあなたの会話を通じて作成した以下の問題解決プランをご覧ください。この問題解決プランを実行した結果、同様の問題が起こらなくなったとします。つまりこれは、問題解決プランが正しかったということを意味します。では、この問題解決プランの内容を振り返り、今後の問題解決プランに生かせる教訓を引き出してみてください。

【目的】 次回からの治療において、指示の変更に適切に対応した治療を行う

【現状】治療開始前の申し送りの際、今回から物品Bに変更になったという情報は共有したが、誰が準備を担当するかは指示しておらず、他のスタッフも誰かが準備してくれるものだと考えていた。担当スタッフやダブルチェックを行ったスタッフは、すでに物品Bが用意されているものだと思い込んだまま治療を開始した。患者Aさんの治療開始後30分経過した際、物品Bではなく物品Cが使用されていることを担当スタッフが発見。すぐに物品Bに交換して治療を再開、その後のAさんの状態変化は、通常の治療と同様であった。

【あるべき姿】 スタッフは全員が申し送りの内容を確認し、物品の変更があった場合、具体的な担当者を決定し、物品の準備が正しく行われる。また、ダブルチェック時に物品が適切に用意されていることを確認し、治療開始時に適切な物品が使用されることを保証する。

【問題】 1. 物品の準備担当者が明確になっていなかった 2. 担当スタッフとダブルチェックを行ったスタッフが、物品の確認を十分に行っていなかった

【原因】 1. 申し送りの際に担当者を指定せず、他のスタッフも誰かが準備してくれると考えていたため 2. 治療開始時の物品確認が不十分だったため

【対策】 1. 申し送りの際に、物品の準備担当者を明確に指定する 2. スタッフ全員が申し送り内容を確認し、物品変更があった場合には注意するように意識づける 3. 治療開始前にダブルチェックを徹底し、物品が適切に用意されていることを確認する 4. 定期的な研修やミーティングを開催し、スタッフ間のコミュニケーションを強化することで、情報共有や連携を改善する

【ChatGPT】問題解決プランを実行した結果、同様の問題が起こらなくなったとの前提のもと、この内容を振り返り、今後の問題解決プランに生かせる教訓を以下にまとめます。

教訓:

1. 明確な指示と担当者の指定: 一つのタスクに複数の人が関わる場面では、そのタスクの具体的な担当者を明確に指定することが重要。それにより、「誰かがやってくれる」というあいまいな期待を避けることができる。 2. ダブルチェックの重要性: タスクの実行前に、実際の行動や使用物品等をもう一度確認する習慣(ダブルチェック)は、ミスを防ぐために非常に有効。特に患者への影響がある場面では、この習慣は欠かせない。 3. 全員参加の意識: 一つの情報や変更事項が、関わるすべてのスタッフに確実に伝わるようにすることが重要。情報が途中で途切れると、組織全体としての対応が鈍くなる。 4. 継続的な研修やミーティング: 事象や問題の解決だけで終わらせず、定期的にスタッフ同士の研修やミーティングを実施することで、問題解決のスキルや組織全体の連携を強化する。 5. 問題解決の文化の醸成: 一度のミスや問題を糧にして、それを改善することの重要性を組織文化として根付かせる。ミスは避けるべきであるが、ミスから学び、それを再発防止に活かす姿勢が組織を成長させる。 6. 明確なコミュニケーション: 物品やタスクの変更など、重要な情報は曖昧に伝えることなく、明確に伝達すること。さらに、情報を受け取った側もその内容を確認し、必要に応じて質問する姿勢を持つ。

このような教訓を引き出し、組織内で共有し、継続的に実践することで、今後の問題解決プランの策定や実行において、より効果的な取り組みが期待できます。

【佐藤】では逆に、同様の問題が起こってしまった、つまり、この問題解決プランが正しくなかった場合、先ほどと同じように内容を振り返り、今後の問題解決プランに生かせる教訓を引き出してみてください。

【ChatGPT】問題解決プランを実行したにもかかわらず、同様の問題が再発した場合、その原因を分析することが重要です。以下は、その問題解決プランを振り返り、再発した理由を考慮して得られる教訓をまとめます。

**教訓**:

1. **実践の確認**: 紙上でのプランだけでなく、実際に現場での実践が行われているかを確認することが重要。実践がなされていなければ、それが原因となり再発のリスクが高まる。

2. **フィードバックの収集**: スタッフからのフィードバックを定期的に収集し、対策が実際の現場で効果的に機能しているかを確認する。そのフィードバックをもとに対策の改善を継続的に行う。

3. **変更への適応**: 一度決めた対策がすぐに結果を出すとは限らない。変更を実施した後、それに適応するまでの期間やトレーニングが必要となることを考慮する。

4. **対策の徹底**: 単に対策を伝えるだけでなく、それが徹底される仕組みを検討する。例えば、チェックリストの導入や、継続的な研修の提供など。

5. **コミュニケーションの深化**: ただ情報を伝えるだけでなく、受け取った側がその情報を理解し、行動に移せるようなコミュニケーションを心がける。

6. **問題の本質を見極める**: 再発した原因が初めての分析とは異なる場合、最初の原因分析が問題の本質を見極めることができていなかった可能性がある。再度、深堀りした分析を行い、真の原因を特定する。

7. **組織文化の見直し**: 対策がうまく行かなかった背景に、組織の文化や価値観が影響している場合がある。そのような文化や価値観を変えることなく、対策だけを行っても効果は出にくい。

このような教訓を活かして、再度の問題解決プランの策定や実行において、より効果的な取り組みが期待できるよう努力することが重要です。

【佐藤】私の先ほどの質問(指示)の意図が伝わらなかったようですので、もう一度質問(指示)し直します。

以前の私とあなたの会話を通じて作成した以下の問題解決プランを実行した結果、先ほどとは逆で、同様の問題が起こってしまったとします。つまりこれは、問題解決プランが正しくなかったということを意味します。では、この問題解決プランの内容を振り返り、今後の問題解決プランに生かせる教訓を引き出してみてください。

【目的】 次回からの治療において、指示の変更に適切に対応した治療を行う

【現状】治療開始前の申し送りの際、今回から物品Bに変更になったという情報は共有したが、誰が準備を担当するかは指示しておらず、他のスタッフも誰かが準備してくれるものだと考えていた。担当スタッフやダブルチェックを行ったスタッフは、すでに物品Bが用意されているものだと思い込んだまま治療を開始した。患者Aさんの治療開始後30分経過した際、物品Bではなく物品Cが使用されていることを担当スタッフが発見。すぐに物品Bに交換して治療を再開、その後のAさんの状態変化は、通常の治療と同様であった。

【あるべき姿】 スタッフは全員が申し送りの内容を確認し、物品の変更があった場合、具体的な担当者を決定し、物品の準備が正しく行われる。また、ダブルチェック時に物品が適切に用意されていることを確認し、治療開始時に適切な物品が使用されることを保証する。

【問題】 1. 物品の準備担当者が明確になっていなかった 2. 担当スタッフとダブルチェックを行ったスタッフが、物品の確認を十分に行っていなかった

【原因】 1. 申し送りの際に担当者を指定せず、他のスタッフも誰かが準備してくれると考えていたため 2. 治療開始時の物品確認が不十分だったため

【対策】 1. 申し送りの際に、物品の準備担当者を明確に指定する 2. スタッフ全員が申し送り内容を確認し、物品変更があった場合には注意するように意識づける 3. 治療開始前にダブルチェックを徹底し、物品が適切に用意されていることを確認する 4. 定期的な研修やミーティングを開催し、スタッフ間のコミュニケーションを強化することで、情報共有や連携を改善する

【ChatGPT】問題解決プランを実行したにもかかわらず同様の問題が起こってしまった場合、その失敗から学ぶ教訓や、プランの内容の改善点を考察することが求められます。

以下は、先ほどの問題解決プランを振り返り、考え得る教訓や改善点をまとめたものです。

**教訓**:

1. **具体的な指示の重要性**: 「誰が」と「何を」するのかを具体的に明示することの重要性が再認識された。担当を明確に指定しなければ、誰も実行しない、あるいはダブルで実行されることがある。

2. **ダブルチェックの真価**: 単なる形式的なチェックではなく、実質的な確認が必要。物品Bと物品Cの違いが明確に識別できるようなチェックリストや指標があるとよい。

3. **情報共有の方法**: ただ情報を伝えるだけでなく、伝えた情報が正しく伝わったかの確認も行う必要がある。

**改善点**:

1. **担当のローテーション**: 物品の準備担当者をローテーションで変更し、全員がその役割を経験することで、物品の準備の重要性や確認の方法についての理解を深める。

2. **チェックリストの導入**: 治療開始前に行うダブルチェックの際に使用する、物品のチェックリストを導入する。このリストには、物品の名前、数、特徴などが記載されている。

3. **フィードバックのシステム化**: スタッフからのフィードバックを定期的に収集するシステムを作る。このフィードバックをもとに、問題解決プランの改善を継続的に行う。

4. **研修やミーティングの質の向上**: 定期的な研修やミーティングでは、実際に起きた問題をベースにしたケーススタディを行い、それをもとにスタッフ間の討論や学びを深める。

5. **新しいコミュニケーションツールの導入**: 申し送りの内容や物品の変更情報を共有するための専用のコミュニケーションツールやアプリを導入することを検討する。

問題解決プランの失敗から得られる教訓や改善点を積極的に取り入れることで、次回の問題解決プランの策定や実行において、より効果的な取り組みが期待できます。

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