コーポレートガバナンスの観点から、社外取締役の重要性が高まっています。一方で、僕が組織変革において「ヨソ者」の存在が極めて重要だと考える理由は、ムラ人である以上はムラの非公式の掟である「空気」に従わざるを得ないけれど、ヨソ者はそのムラには住んではいないので、その非公式の掟に従う必要がないからです。
「ムラ人は、ムラ人だからこそ言える(できる)ことがあるが、ムラ人だからこそ言えない(できない)こともある」というのは、ムラ社会で暮らしているあらゆる人が実感していることではないでしょうか。対して、ヨソ者は、ヨソ者だからこそ言えない(できない)ことがありますが、ヨソ者だからこそ言える(できる)こともあります。これらのことを前提に、いかにムラ人だからこそ言えない(できない)ことをヨソ者に言って(やって)もらうかが、組織変革において重要になってきます。
だからこそ大事なことは、「ムラ人とヨソ者の距離感をマネジメントする」ことです。
ムラ人とヨソ者の距離が必要以上に近づきすぎると、情が入りすぎることによって、ともすればムラ人がヨソ者を同じムラ人のように感じるようになるかもしれませんし、ヨソ者も自分をムラ人と同じ住民のように勘違いしてしまうかもしれません。しかし、そうすると、仲良くはなるかもしれませんが、ヨソ者がムラ人にとって都合が悪くなるようなこと(耳が痛くなるようなこと)を言えなくなってしまいかねません。ヨソ者がムラの空気を必要以上に読んでしまうかもしれないからです。
ムラの空気に従う必要がない立場であるヨソ者が、ムラの空気を必要以上に読み、従ってしまうのであれば、本末転倒になってしまいます。
だからこそ、社外取締役やアドバイザー、講師など、いろいろな立場のヨソ者がいると思いますが、基本的な考え方として、
「ヨソ者は、ヨソ者であること自体に本質的な価値がある」
ということを十分に理解し、ムラ人とヨソ者との距離感をマネジメントしながら、ヨソ者の力を最大限に使い倒していくことが大切です。
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