学びのつまみ食い現象
- 佐藤 和弘
- Jan 25
- 2 min read
「あれもこれも学ぼうとすると、どれもこれも身につかない」
というのは、何かを学ぼうとする際、往々にして陥りがちになることではないでしょうか。これを、「学びのつまみ食い現象」と名付けてみます。
時間も労力も有限であり、能力開発が反復練習の世界であれば、あれも大事これも大事だけれど、(泣く泣く)大事なことに順番を決めて、ほかの大事なことを捨てても、1番大事なこと、2番目に大事なことに絞って学んでいくという姿勢が求められます。
ただ、大事なことに順番を決めて学ぶことの難しさがあるとすると、「味に飽きてしまう」ということでしょう。それもそのはず、ひたすら同じ料理をつくり続けるわけですから、その味に飽きてしまっても仕方のないことかもしれません。
対して、学びのつまみ食いは、その日によって料理が変わっていきますから、1つの味に飽きることなく、常に新しい味を楽しむことができます。これが、学びのつまみ食いの魅力と言えます。
ただ、ここで大事なことは、「その料理は本当に美味しいのか?」ということです。毎回違う料理をつくるということは、1つの料理をつくる経験は1度きりです。同じものをつくり続けることによってその料理の「コツ」を掴むことができるのであれば、毎回違う料理をつくると、どの料理もコツを掴めないことになってしまいます。そうすると、料理をつくっても味がイマイチで食べ残してしまい、結果、お腹が満たされず、満足感が高まらないといったことが繰り返されてしまうかもしれません。
飽きはしないけれど、(コツを掴んでいないために)味がイマイチな料理をつまみ食いし続けるか。
それとも、飽きてしまいやすいけれど、(食べる人にとって本当の好みにあった)味が美味しい料理を食べ続けるか。
もし後者を選ぶのであれば、学びのつまみ食いの魅力に対する「健全な鈍感力」が求められるかもしれません。
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