異なる生成AIのモデルによる問題解決プランの共通点と相違点
- 佐藤 和弘
- Mar 6
- 6 min read

GPT-4.5とGPT4oで同じ目的と現状に関する情報をそれぞれ入力し、その結果として生成されたあるべき姿、問題、原因、対策に関する情報の共通点と相違点をGPT-4.5に整理してもらいました。
GPT-4.5はEQ(心の知能指数)が進化している*ようですが、まさに、「GPT-4.5はスタッフが『誰かがやってくれるだろう』と思い込んでしまう心理的側面を重視しており、スタッフ個人の心理や意識の改善を含めたアプローチです」という部分に表れていますね。
生成AIの本質的な価値と言える「情理的な中立性」。この情理的な中立性をもった生成AIが情理も考慮することができるというのは、実は相当なインパクトがあります。
以下は、プロンプトの内容です。
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目的:次回からの治療において、指示の変更に適切に対応した治療を行う
現状:治療開始前の申し送りの際、治療時に患者Aさんに使用する皮膚接触用のフィルムが、今回よりCからBに変更になったという情報がスタッフ全体に共有された。以前からフィルムCの使用時に患者Aさんが痒みを訴えることがあったため、痒みの軽減が期待できるフィルムBを使用することになった経緯がある。しかし、変更に関する情報自体はスタッフ全体に共有されたものの、誰が準備を担当するかは指示しておらず、他のスタッフは誰かが準備してくれるものだと考えていた。担当スタッフやダブルチェックを行ったスタッフは、すでにフィルムBが用意されているものだと思い込んだまま治療を開始した。患者Aさんの治療開始後30分経過した際、フィルムBではなく従来から使用しているフィルムCが使用されていることを担当スタッフが発見。すぐにフィルムBに交換して治療を再開、その後のAさんの状態変化は、通常の治療と同様であった。
上記の目的と現状に関する情報を入力した結果、GPT-4.5とGPT4oで、それぞれ次に示すあるべき姿、問題、原因、対策に関する情報が生成されました。
両者の内容を比較しながら、共通点と相違点を説明したうえで、表を用いて整理してください。
GPT-4.5が生成した情報:
【あるべき姿】
治療に使う物品や方法に変更があった際には、スタッフ全員が変更内容を理解し、それに応じて行動できる状態になっている。具体的には、申し送りの段階で「誰が」「いつまでに」「どのように」物品を準備・確認するか明確に決定し、それをスタッフ全員が共有できている。治療開始前には、担当スタッフとダブルチェックをするスタッフが一緒に準備物品を確認することで、間違った物品が使われることがないよう徹底できている。その結果、患者さんは安全で適切な治療を受けられている。
例えば、
• 担当スタッフ:「今日、AさんはフィルムBを使用するように変更になりました。〇〇さんが治療前までに準備してください。」
• 準備担当スタッフ:「はい、私がフィルムBを準備します。」
• ダブルチェック担当スタッフ:「治療前に私も一緒に準備物品を確認します。」
というように、具体的なやり取りを通じて、変更が現場に浸透している状態である。
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【問題】
• 治療に必要な準備物品を変更するという指示は共有されたものの、実際に誰が準備するかの担当が決まっていなかったため、準備されないまま治療が開始された。
• 担当スタッフもダブルチェックをしたスタッフも、物品が正しく準備されているかを確認せず、変更前の物品を使用してしまった。
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【原因】
• 変更内容の共有時に「誰が準備をするのか」「いつまでに準備するのか」など具体的な役割分担を決めていなかったため、スタッフ間で責任の所在が曖昧だった。
• スタッフ間で「きっと誰かがやってくれるだろう」という思い込みが生じており、自分ごととして明確に行動できていなかった。
• 準備物品のダブルチェックを行う際に、実際に物品の確認をせずに思い込みで判断してしまった。
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【対策】
①変更が生じた時点で、誰が何を担当するかを明確に決定するルールを作る。
• 申し送りの際、「準備担当者は誰か」「確認するスタッフは誰か」を明確に決めて、必ずその場で確認し合う。
②治療開始前に必ず物品のダブルチェックを行う。
• 担当スタッフともう一人のスタッフが一緒に目で見て「これはフィルムBですね」と確認し、思い込みによるミスを防ぐ。
③スタッフ全員に新たなルールや確認手順を伝え、共通認識を作る。
• 朝礼やミーティングで周知し、全スタッフがルールを理解できているかを確認する。
• 「いつ・誰が・どのように」確認したかを、簡単なチェック表を使って記録し、あとで問題が起きた場合にも振り返りができるようにする。
④実際に上記の新ルールで運用してみた後、改善点があれば都度スタッフで話し合いをし、ルールをより効果的に改善する。
例えば、
• 申し送りの場面:「次回から、変更があった際は、必ず担当者と確認担当者を申し送り時に決めましょう。」
• 実際の確認場面:「フィルムBを〇〇さんが準備しました。確認担当の□□さん、一緒に確認をお願いします。」
• チェックシートに「準備:〇〇、確認:□□」と記録しておく。
これにより、次回からはミスなく治療を進められ、患者さんにとって安全・安心な治療が実現できるようになる。
GPT-4oが生成した情報:
あるべき姿
治療に関する指示変更が適切に共有・実行され、必要な準備が確実に行われる体制が整っている。具体的には、
• 指示変更の内容が全スタッフに明確に伝わるだけでなく、誰が何を準備するのかが明確に決められている。
• 準備担当者とダブルチェック担当者が明示され、責任を持って確認作業を行う。
• 治療開始前に使用する物品の最終確認が行われることで、誤った物品の使用を防ぐ。
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問題
1. 指示変更の共有はされたが、準備の担当者が明確に決まっていなかった。
2. スタッフ間で「誰かが準備しているはず」という認識のズレが生じた。
3. 担当スタッフやダブルチェック担当者が、フィルムBの準備を確認しないまま治療を開始した。
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原因
1. 役割分担の明確化が不十分だった
• 「誰が準備するか」が明確に指示されていなかったため、スタッフ間で「他の誰かがやるだろう」という思い込みが生じた。
2. 確認プロセスの不足
• 治療開始前に「実際にフィルムBが用意されているか」を確認するチェック体制がなかった。
3. ダブルチェックの形骸化
• ダブルチェックが形式的になり、実際の物品を目視で確認しないまま治療が進められた。
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対策
1. 役割分担の明確化
• 指示変更があった際は、「準備担当者」を明確に決め、申し送り時に伝える。
• 「準備担当者」と「ダブルチェック担当者」を決定し、それぞれの役割を明示する。
2. 治療前の物品確認の徹底
• 治療開始前に、担当者が実際に使用する物品を目視で確認するチェックリストを活用する。
• 例:「フィルムBが準備されていることを確認✔」
3. ダブルチェックの強化
• ダブルチェック時に、実際に物品を手に取って確認するルールを徹底する。
• 確認したスタッフが**「フィルムB確認済み」と声に出して報告する**ことで、全員が認識を統一できるようにする。
4. トラブル発生時の振り返りと再発防止策の共有
• 今回の事例をスタッフ間で共有し、同様のミスが起こらないように注意喚起する。
• 指示変更時の確認プロセスをマニュアル化し、全スタッフに周知する。
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まとめ
指示変更時の役割分担を明確にし、事前の確認プロセスを強化することで、誤った物品使用を防ぐ体制を作ることが重要。具体的には、
• 「準備担当者」「ダブルチェック担当者」の明確化
• 治療前の物品チェックリストの導入
• 実際に物品を目視で確認するダブルチェックの徹底
• 再発防止のための情報共有とマニュアル化
これにより、次回以降の治療で指示変更が適切に反映され、安全な治療が提供できるようになる

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