海軍反省会記録第二回から第十回において、「空気」という言葉が出てきた発言。空気がいかに組織の中の人たちを支配するかがよくわかる。
当事者の意思決定が行われることによって空気がつくられるのではなく、まるで空気によって当事者の意思決定が行われているようであることが、空気(見えない何か)の支配の恐ろしさと言える。
[証言録]海軍反省会https://www.amazon.co.jp/dp/B015DVPCC6/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_gkiKEb2VER2JE ********************** 第二回 ・適当でないというような空気がして、支配的でした。 第三回 ・その現場に即して空気を察知して転換する。 ・ここに一つ日本海軍の欠陥があった。大体の空気がそうなってるんでございますがね。 ・大体ね、兵学校とか大学校の成績の上のような人はね、人事当局とかなんとかで、優先的に、その人は偉いんだ、と言うような、そういう空気が大体海軍にはあったんじゃないかと思いますよ。 ・そしてなるべくそういうような人は、重要なポストにつけようというような、空気があったと思うんですよ。 第四回 ・そういう空気が世間ではのさばっている点があると思いますよ。 ・またそういう言いやすい空気になっておれば、意見を徴することも必要だろうと私は思うんですね。 第五回 ・そうでなくても空気だけは十分黙っとってもわかることだから、わかっとる。 ・こういう状況で、それからまた別室へ来て、中攻千機、戦闘機(千機)が無ければ俺はできないよ、と、山本さんおっしゃるんですね。そういうような空気もあった。 ・純心な者が、これはもうその空気に巻き込まれた事例と思います。 ・やっぱり、防衛庁に限った訳じゃないけれども、その当時の空気を聞きに来たんですよ。 第六回 ・こういう陸軍の空気もあったし、それは必ずしも海軍だけじゃない。 ・海軍が丸裸になるような空気がありましたですよ。 第七回 ・私が、初級士官教育は毒にも薬にもならなかったと言うのは、初級士官教育規則じゃなく、むしろ当時空気が反対だった。 第八回 ・片手間に大臣のお供したっていうような仕組みで、大体そういう空気でね。 第九回 ・我々が海軍の中で過ごしてね、その空気の中におって気がつかずにいた。 ・責任っていう訳じゃありませんけれども、戦はやらなければいけないんだというような、空気を盛り上げてるように思います。 ・しかしね、あの空気の中で、海軍の空気の中で書いたことだと思うね。 ・戦局がだんだん悪くなったらね、陸軍からも山本(五十六)さんを中央に持っていって総理にしようじゃないか、という話があった。そういう空気が陸軍にはあったんだね。 ・戦後になってそう言ってるんであってね、当時の空気は、あなたもさっき言われたようにね、作戦課は非常に強くてね、大勢は戦争をやる方向に傾いていた。 ・あの空気を私は思い出すとね、海軍省の中でも、嶋田ぐらいは殺してやると、それくらいの空気はあったと言っても、あんまり過言ではないぐらいの勢いだった。 ・こういう空気を、嶋田さんも世論に強迫されてる。 ・それだからね、この空気の中で、とても澤本さんがこう言ったから、辞職したから何、とか言ったって、何ともならない状態だった。 第十回 ・陸軍の人は少なくとも参謀本部の我々の接触する範囲ではそういう空気でした。 ・私もその時おったから、その空気はよく知っております。 ・これは内乱の問題でもですね、そういうような空気があったというのは、一部あったらしいというふうなことでは迫力がないんであって、内乱というのは陸軍が実際にこういうふうな手段を投じても内乱を起こす。 ・私は秋山(真之)さんがもし無事にしておられたら海軍の空気は非常に違ったろう。
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