一般論として、ともすると優しいリーダーほど、抵抗派にあたるスタッフに関して「でも、Aさんには良いところもあるから・・・」と言ったように、「良いところ探し」をしてしまいやすいかもしれません。
もちろん、どのようなスタッフにも良いところがあるでしょうし、スタッフ個人個人と向き合ううえでは、本人の良いところを見つけていくことは大切な営みでしょう。
しかし、組織変革の観点においては、抵抗派にあたるスタッフの「良いところ」が見え過ぎてしまうと、場合によっては、そのスタッフにとって都合が悪くなるようなことを意思決定しにくくなってしまいかねません。そうして、意思決定が先送りしてしまうことによって、推進派にとっても、慎重派にとっても、そして結果的には抵抗派にとっても不幸な結果になってしまうかもしれません。
だからこそ、例えば、
「Aさんにはこういう良いところもある。だけど、◯◯という組織のビジョン(【あるべき姿】)に向かって行動することに対しては他のスタッフと比べて消極的だから、(あくまでも)Aさんは抵抗派にあたる」
といったように、スタッフ個人個人の良いところと、スタッフが推進派、慎重派、抵抗派のどの層にあたるのかは、意図的に分けてとらえることが大切になります。さらに言えば、
「Aさんは抵抗派にあたる。だけど、Aさんには良いところもある」
よりも
「Aさんには良いところもある。だけど、Aさんは抵抗派にあたる」
という表現の順番にする方が、リーダー自身がスタッフ本人の「良いところ」を必要以上に意識し過ぎることを避けやすくなるかもしれません。
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