組織の2:6:2の法則に基づき、スタッフを推進派、慎重派、そして抵抗派に分けてとらえることは、変革リーダーが自らの行動を選ぶ(自らの行動の優先順位を決める)ために重要です。
ともすると、抵抗派にあたるスタッフの声は他のスタッフの声よりも耳に届きやすいがゆえに、変革リーダーは、必要以上に抵抗派にあたるスタッフに対して自分の時間と労力をかけすぎてしまうかもしれません。しかし、その抵抗派にあたるスタッフに時間と労力をかけているその瞬間、本来その時間と労力をかけるべきスタッフ(推進派)が報われていないかもしれません。
さらに言えば、推進派にあたるスタッフはそれでも不満を言わずに頑張るかもしれませんが、その姿を近くで見ていた慎重派にあたるスタッフが「◯◯さん(推進派にあたるスタッフ)のように頑張っても報われないかもしれない。だったら、頑張って行動するのはやめておこう・・・」と、変革リーダーがあずかり知らないところで、無言の決断をしているかもしれません。
このことからもわかる大事なことは、変革リーダー自身の時間と労力を誰(どこ)にかけているのか、その行動自体が、スタッフにメッセージを届けていると考えること、そして、変革リーダーは、まずは推進派にあたるスタッフが報われるように、自身の行動を選ぶことです。
推進派にあたるスタッフが報われ、それを見ていた慎重派にあたるスタッフが真似をし、組織がポジティブな空気に変わることによって推進派(や慎重派が)行動しやすくなり、【あるべき姿】という目的地にたどり着きやすくなる。
確かに、その旅の途中は大変だけれど、いざ【あるべき姿】にたどり着いてみれば、そこは、当初は「このままでいい」「変わりたくない」「新しいことをやりたくない」と思っていた抵抗派にあたるスタッフにとってみても、実は本当は見てみたかった景色かもしれません。
あるいは、そのような旅を続けることは、抵抗派にあたるスタッフがもっと自分に合うバスに乗り換える決断をより早くできる機会になるかもしれません。したがって、
「組織の2:6:2の法則を羅針盤にしてリーダーシップを発揮することは、推進派にとっても、慎重派にとっても、そして結果的には抵抗派にとっても、本人のためになる」
変革リーダーは、このようにとらえながら、自らの行動を選ぶことが大切であると言えます。
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